地球上の生き物の魅力をクッキーで伝えたい――。三重県桑名市でクッキー専門店「kurimaro collection」を営む栗田こずえさん(37)の思いだ。イヌや猫など親しみやすい動物から昆虫まで、これまでクッキーで表現してきた生き物は400種類近い。新たに「微生物シリーズ」を手がけた。
汚水にすみ、水素を作り出す「ロドシュードモナス」は、楕円(だえん)形の微生物。放射状に集まる性質があることから、集合体が6方向に伸びる姿で表現した。
微生物の形のクッキーを作るにあたり、専門家にも協力してもらった。下水の微生物や水処理を研究する金沢大の本多了准教授。水質浄化やごみの分解に役立つ微生物を「ヒーロー」と呼ぶ本多准教授から、微生物の選定や形状、色についてのアドバイスを受けた。テレビ番組の「戦隊もの」をイメージして5色1セットの「微生物ヒーローシリーズ」を完成させた。
栗田さんの「推し微生物」を集めたシリーズもある。ミジンコ、プラナリア、アメーバ……。「見たことあるような懐かしい気持ちになれる」ラインアップなのだという。
放射線や高温、低温に耐え、真空状態でも生き続けることから「地球最強の生物」と呼ばれるクマムシもクッキーにした。圧倒的な生存能力を持つ一方で「見た目がかわいい」ところも気に入っている。クマムシの画像を見ているうちに、筒状の口が「赤ちゃんのおしゃぶりに見えていた」。クッキーにはつぶらな目とドーナツ形の口をつけた。
特徴的な形状の生物を表現す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル